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パン作りのコツ

【読むパン教室】生地の幅を広げる材料「油と卵」を知ろう!

今回は「パンの生地の幅を広げる”油と卵”」について解説していきます。

油は形状によって生地に加えるタイミングが変わります。

卵は卵黄と卵白で生地の印象が変わります。

いろいろと試しながら自分のお気に入りを見つけてみてください。

生地のアレンジについては他の記事も参考にしてくださいね♪

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油の役割と種類

生地の個性を出すのに有効な材料が「砂糖・油・卵」です。

生地に入れることで”生地自体のバリエーション”を広げてくれます。

その中でも「油」は風味とボリュームに影響してくる材料。

まずは役割をみていきましょう。

油の役割

油の役割は「生地にボリュームやコクを出し、生地を硬くなりにくくする」という役割があります。

油を変えることで歯切れの良い生地になったり、香りも変わってきます。

油も固形と液体の2種類があり、こちらは”入れるタイミング”に影響してきます。

入れるタイミングは後ほど解説するとして種類について紹介しておきましょう。

油にはたくさんの種類があります。

一般的にはバター、マーガリン、ショートニングが使われるそうですがわたし個人的にそれらはほとんど使わず、マカダミアナッツオイルをメインで使っています。

おぱんくん

パンを惣菜系にしたいか、菓子系にしたいかで使い分けるといいよ!

油の種類

今回はバター、マーガリン、ショートニング、オリーブオイル、セサミオイル、マカダミアナッツオイル、こめ油を紹介します。

バター

バターは牛乳から分離したクリームを凝固させた油脂です。

牛乳ベースなので生地にしっかり風味がつくのが特徴です。

クロワッサンでは生地にも折り込みにも大量のバターを使用します。それによりあの香ばしい香りとサクっとした食感が生まれます。

基本的にパンには無塩バターを使用します。

もし有塩バターを使用する場合はバターの量が10gくらいであればそのまま進めて大丈夫です。20gくらいになると塩の影響が出てくるため、生地の方の塩をひとつまみくらい減らしてみましょう。

最終的には好みの塩加減になればいいので、そのままで構わなければ有塩バターを使うことも可能です。

マーガリン

マーガリンは植物性や動物性の油脂をバターに似せて加工したもの

手軽かつ安く手に入るマーガリンですが、病気を引き起こすとされるトランス脂肪酸を生成することが指摘されています。可能であればマーガリンよりバターを選ぶようにしましょう。

ショートニング

ショートニングはマーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂にしたものです。練り込み専用の油脂として開発されました。水分や乳成分をほぼ含まず、味も香りもありません。

生地に使うと混ざりやすく軽い食感のパンが焼き上がりますが、マーガリンと同じくトランス脂肪酸を生成することが指摘されています。身体への影響を考えると避ける方が良いでしょう。

オリーブオイル

オリーブオイルはフォカッチャやカレーパン、ピザなどの惣菜系の生地に使います。

エキストラバージンオイルとピュアオイルの2種類ありますが、熱を加えるのでパン生地にはピュアオリーブオイルで十分です。

フォカッチャの仕上げにエキストラバージンオイルを使うと風味がグッと引き立てられます。

セサミオイル

いわゆる”ごま油”。パン生地に使う場合は「太白ごま油」を使いましょう。

一般的なごま油でも焼けますが、かなーりクセの強いパンが焼き上がりました。

セサミオイルをパン生地に入れるとあっさり系の生地になります。オリーブオイルよりもさらにあっさりしています。

ごまと組み合わせると生地にメリハリが付いてオススメです。

マカダミアナッツオイル

わたしが愛用しているのがマカダミアナッツオイル。

クセが全くないので油の中でもオールラウンダーな存在です。健康維持に役立つオレイン酸を多く含み、酸化しにくいのが特徴です。

サラダにも揚げ物にも合いますが、価格が高いのがデメリット。

でもその分美味しいので日々頑張って仕入れています。

こめ油

こめ油は”米ぬか”から抽出される油です。ビタミンEを含み、揚げ物などにも使われます。

手の届きやすい価格帯で味のクセもありません。今年我が家ではふるさと納税の返礼品で大量に購入しました。普段使いとして持っておきたいオイルです。

その他なたね油、グレープシードオイルなどさまざまありますが基本的には”主となる原料の違い”となります。

生地に液体のオイルを試してみるならなたね油よりもちょっと高い”こめ油”あたりがオススメです。

慣れてきたらぜひ”マカダミアナッツオイル”を使ってみてください。とても美味しいですよ。

卵の役割と特性

卵は「生地にしっとり感とコクを出し、歯切れの良い生地にする」という役割があります。色も少し黄色くなり雰囲気が変わります。

生地に卵感を出したい場合はそれなりの量を入れる必要があります。

小麦粉に対して全卵なら15%くらい、卵黄だけなら6-7%くらい入れると卵の風味を感じられます。

例えばブリオッシュは卵の配合が多いパン。生地に少し重みがありますが、その分生地が濃厚なパンが焼き上がります。

卵黄と卵白

卵は卵黄卵白で使い分けます。

卵黄は脂質が30%ほどを占めるため、卵黄だけ生地に入れるとしっとりのびの良い生地になります。反面「ちょっとくどいかも」と思うこともあります。

卵黄のみで使うのは少量にして全卵で使うとあっさりしっとりのパンに仕上がります。

卵白はタンパク質が半分ほどを占めます

タンパク質は熱で凝固するので卵白のみ生地に入れた場合は歯切れの良い生地になります。お菓子では卵白を単独で使うこともありますが、パンでは基本的に単独ではブレンドしません

パン作りでは主に卵黄を使用します。歯切れをよくしたい場合は卵白も入れることがありますが、単体よりも全卵で入れることが多いです。

卵が20-25gくらいの配合のレシピであれば卵黄のみ使用するようにしましょう。

ちなみに卵黄が20g卵白が30gというのが一般的なMサイズの卵です。卵一つだと50g程度。覚えておくと便利です。

それぞれ配合のコツと生地への影響

最後は配合と生地への影響です。どちらも入れすぎると生地自体がゆるくまとまりにくくなります。

油の配合と生地への影響

油は”固形のままのもの”と”液体のままのもの”とで入れるタイミングが異なります。

固形の油

固形のもの(例えばバター)は、ある程度生地がまとまってきたタイミングで入れます。

このとき状態としては”常温に戻したもの”を細かくして混ぜ込みます。

常温の環境で柔らかくしたものがベストですが、電子レンジで柔らかくする場合は5秒ずつ様子を確認しましょう。

バターが液体になってしまうと分離してしまうので注意が必要です。

もしバターを溶かしすぎてしまったら次に説明する”液体の油を入れるタイミング”で混ぜるようにしましょう。なるべく形のまま混ぜ込みたいので電子レンジを使う場合は慎重に準備してくださいね。

生地を手でこねるならバターを潰すように押しこねていきます。ホームベーカリーなら結構細かくちぎったほうが馴染みやすいです。

液体の油

次に”液体のままの油”を入れるタイミングです。

オリーブオイルなどの液体の油の場合は水と同じタイミングで混ぜてしまいましょう。

逆にバターのように生地の形が出来たタイミングで混ぜると生地が踊ってしまい、終わりが見えません。

ホームベーカリーなら仕込みの段階でオイル→水→粉類で入れていくとスムーズに混ざります。

油は多すぎると成型の時に生地がまとまりにくくなります。油の量としては粉に対して10%くらいまでにしておきましょう。

卵の配合と生地への影響

卵黄だけ使うことが多く、卵黄のみを入れた生地はしっとり重めの生地になります。適度に卵白が入る方が生地も軽くなります。

卵は液体なので、アレンジする場合は水との量の調整も必要になります。

卵を加えた分、水の量は減らしましょう。水と一緒に混ぜてしまって大丈夫です。

今回のまとめ

今回は「パンの生地の幅を広げる””」について解説しました。

  1. 油の役割と種類
  2. 卵の役割と特性
  3. それぞれ配合のコツと生地への影響

生地のアレンジは小麦粉などの基本素材を変えることと、補助の材料を変えることで気軽に挑戦することができます。

加えてトッピングで幅を広げることで更なる守備範囲を広げることが出来ます。

ぜひ試してみてくださいね♪