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パン作りのコツ

気楽にパンを焼こう!冷蔵発酵を徹底解説!

今回はわたしが普段行っている『冷蔵発酵』について細かい部分を解説します。

これまでお伝えしていなかった部分も補足出来たらと思いますのでぜひ最後までお付き合いください。

この記事の動画はこちらから

冷蔵発酵とは

まずはパン作りの工程からおさらいしてみましょう。

パン作りは6つの工程で行います。

このうちの『一次発酵』について“冷蔵庫“で行うのが、今回解説する内容です。

ちなみに天然酵母のパンは酵母の力でゆっくり発酵させる手法。

イーストの生地とは違うものにはなりますが、かかる時間としては同じくらいになります。

さまざまな食材から酵母を作るため、経験値が必要になります。

ホシノ天然酵母など、水を加えるだけで酵母を作ることの出来るタイプもあります。

今回解説するのは“極微量のイースト“で行う冷蔵発酵です。

イーストのパンは敬遠しがちな方もいるかと思いますが、

  • 発酵が安定している
  • 量で発酵時間を調整できる
  • 小麦の風味を邪魔しない
  • 冷めても割と柔らかい
  • 酵母が腐らない(冷凍保存出来る)
  • 初めての方でも簡単

など天然酵母とはまた違う良いところがあります。

風味や食感は酵母それぞれで異なります。

どの酵母が良いとかではなく、完全に好みの問題になります。

おぱんくん

「イーストたっぷりのパンは苦手だけれど、イーストを減らして焼いたら美味しく食べることが出来た」なんてこともあるよ!

一般的な本では粉200gに対してイーストの量が3gというレシピが多いですが、紹介する方法では200gで0.5g以内ととても少ない量で仕込みます。

そのため『極微量』と表現しています。

イーストが少ない分、発酵する時間が必要にはなりますがその時間が長いため冷蔵庫で低温発酵を行うことが出来ます。

2日に分けて作業を行えるのも特徴です。

発酵器や室温で発酵させるショートコース的なことも出来ます。

焼くまでの段取りのイメージとしては

  • 朝仕込んで夜焼く
  • 昼仕込んで朝焼く
  • 朝仕込んで昼焼く(発酵器使用)

一次発酵を6−24時間とることで工程をガッツリ2つに分けます。

発酵器で温度をキープして一次発酵する場合は3時間ほどに短縮することも出来ます。

例えば6時間あれば、ちょっとしたお出かけも可能。

12時間以上あれば日にちをまたぐことも可能です。

わたしの場合は普段11時ごろに仕込み、翌日の朝9時過ぎから作業をしています。

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一次発酵について

仕込みはお気に入りのレシピ、またはわたしが動画で紹介している基本の生地の分量を計量します。

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お気に入りのレシピの分量を使う場合はイーストの分量を0.5gにしてください。(他の分量はそのままで大丈夫です)

1g未満の量を測れる計量スプーンもあるので初めのうちはそのような道具を使うと良いかと思います。

慣れてきたら「このスプーンのこのくらいだな」くらいの適当な感じでも全然オッケー!少しくらいの誤差は気にしません。

次にこねていきます。

手でこねるのもいいですが、ホームベーカリーでこねると超簡単です。

こねすぎると生地の温度が上がってしまうのでこね時間は2分くらいまでにしておきましょう。

冷蔵発酵のメリットは「発酵させている間にグルテンが形成される」こと。

つまり「こねた」ことと同じような現象が袋の中で起きています。

だからこね時間は短めで。

毎回生地の温度を確認するよりもサクッと2分、と決めてしまって機械を止めます。

ここからが今回のポイント。

この後、袋に入れて6−24時間野菜室に入れます。

おぱんくん

でもさ、6−24時間って幅広くない?

実は6時間を超えたらほとんど発酵は休止状態

だから厳密に何時間発酵させましょう、というルールはありません。

ただし24時間超えるとなんとなく衛生的に気になるのでわたしの独自ルールとして24時間まで、と決めています。

とある本には48時間までとも書いてありました。

勇気のある方は夏を避けてぜひ挑戦してみてくださいw

注意したいのが「仕込む季節」。

夏と冬は何が違うのか。

そう、気温ですね。あと湿度もかわります。

特に気温は生地の温度にも関わります。

ルールとしては

  • 夏はこねたあと袋に入れたら早めに冷蔵庫へ
  • 冬はこねたあと袋に入れたら室温で30分おいてから冷蔵庫へ
  • 春と秋はその日の気温で判断する

冬にこねた直後の生地を冷蔵庫に入れると、翌朝カッチカチになっていることがあります。

これは冷蔵庫の気温が季節でどうしても影響されるから。

予備発酵、という感じで捉えてもらって室温でしばらく発酵させるとだいぶ緩和されます。

いくら温度をキープする、と言っても夏より冬の方がやはり冷蔵庫も冷えやすい。

あまりにカチカチになりやすければタオルなどを巻いて冷蔵庫へ入れましょう。

多少なりとも冷気が袋に当たらなくなることで生地の温度が下がりにくくなります。

冷蔵庫に入れたらあとは放置。

好きなタイミングで次の作業へ移りましょう。

初めのうちはカチカチになったり、逆に膨らみ過ぎたりします。

成形前の一手間と二次発酵

一次発酵が終わったら成形に入ります。

ここでのポイントは

  • 夏は冷蔵庫から出したらすぐ作業可能
  • 冬は30分ほど袋のまま室温に出す
  • 春と秋はその日の気温で判断する

ベンチタイムとはまた別の小さな気遣いにはなりますが、やはり冬の生地は全体的にキュッとしているのでこの一手間はあるといいです。

わたしの場合は工房がイナバの物置からできているため、暖房を入れないと室内の温度が10度を下回ります。

いくら断熱材を入れていても、寒いものは寒い。

野菜室とほぼ変わらない室温のこともあります。

その場合は作業する1時間前に暖房を入れ、同時に冷蔵庫から生地を出しておきます。

本当に寒い冬は冷蔵庫に入れず、室温においておくこともあります。

天然の冷蔵庫ですねww

が、3月に挑戦したところたまたま翌日が暖かくて過発酵。

だから冷蔵庫が確実です。変なことはせず、生地は冷蔵庫に入れましょう。

二次発酵については基本的に発酵器もしくは発酵機能付きのオーブンで行いましょう。

おぱんくん

一次発酵よりも温度が高くないとうまく膨らまないので注意してね!

二次発酵は冷蔵での発酵は出来ません。

この後焼くための準備になるため、あまりに温度差があると焼成の時に割れてしまったり、変形してしまいます。

冷蔵発酵では『一次発酵だけイレギュラー』と思っておいてください。

常温での一次発酵も出来るけど

ここまで“冷蔵庫“での一次発酵についてお話ししてきました。

初めに「発酵器での3時間の発酵」についても触れたので、最後はその工程についてまとめておきます。

その日にゆっくりと作業をしたい!という場合は一次発酵を発酵器や室温で行うことも出来ます。

夏だと室温は25−28℃くらいが一般的。

それ以外だと20−23℃くらいでしょうか。

イーストを減らした分量でこねた生地を袋に入れて室温で3時間くらいおいておくことで一次発酵が出来ます。

この方法だと成形に入る時がスムーズなのと、2.3時間であれば外に出られることも特徴です。

が、室温と生地温に左右されます。

以前、室温で発酵させて外出したことがあります。

その日は思いの外暑く、室温も高めでした。

帰宅後、袋を見たら…パンっパン

袋が開かないレベルで膨らむと成形まで出来たとしても過発酵で味がかなり落ちてしまいます

3時間というのもあくまで目安

必ずしも3時間というわけではないので、正確な時間が出せません。

わたしが冷蔵庫、冷蔵庫と言っているのはこの経験から。

失敗が少ないのは「冷蔵発酵」です。

6時間である程度の発酵が止まるからそこからは自由。

3時間の時の過発酵リスクを考えたら気ままに過ごしていられる6時間の冷蔵発酵のが楽ですよね。

まずは冷蔵発酵からチャレンジしてみて、「ちょっとやってみようかしら」くらいの気持ちで挑戦してみてくださいw

今回のまとめ

今回は「気楽にパンを焼こう!冷蔵発酵を徹底解説」ということでわたしが普段から取り入れている“冷蔵発酵“について解説しました。

わたしが少ないイーストでの発酵を知ったのは1冊の本からでした。

そこから冷蔵庫で発酵できることを知り、自分なりにどう発酵させていくのかを試行錯誤した結果が今回ご紹介した方法です。

オリジナルであり、感覚で焼いています。

「パン作りって正確に時間や分量を測らないとうまく出来ないでしょ?」とよく聞かれるのですが、わたしの場合きっちりと計量するのは“小麦粉“くらい。

水は計量カップでざっくり。

砂糖、塩、イーストは計量スプーンでざっくり。

オイルは慣れている入れ物で「このくらいかなー」という量。

その日の気温と湿度に合わせて水の量を変えることもあります。

塩を入れ忘れなければ大抵のパンは焼くことが出来ます。

“慣れ“と言われたらそれまでですが、きっとみなさんが思っている以上にパン作りは簡単です。

この冷蔵発酵が「パン作り、してみようかしら」のきっかけになれば幸いです。

ぜひお気に入りのレシピがあれば、そのレシピを使って焼いてみてください。

初めての方はピザやベーグルがオススメですよ♪